概要
- unun (unbalanced-to-unbalanced) の M レセプタクル部分が(おそらく直射日光にやられて)壊れた
- FT8 でやってみたら、unun が軒下にあると飛びが悪い
- unun を完全防水化して軒から出せば、もっと飛ぶようになるのでは?
背景
FT8 を使って電波の飛びを見ていると、いくら 5W/10W とはいえ、全然飛んでいかない。アンテナチューナーやアンテナを作るにあたっていろいろな資料を読んでみて、給電点(UNUN)が電流の腹(最大電流)になる重要ポイントであって、これが軒下にあるのではまずいのでは、と思うようになってきた。
そこで、既存の unun の接続用同軸ケーブルを 3m から 5m に替え、もともと伸縮可能にしてあるのでこれを延ばしてみたら…unun が壊れた。M型レセプタクルのプラスチック部分がコネクタから抜けてしまうため、M型プラグを差し込むことができなくなってしまった。
この unun は100均で買った保存容器に入っているのだが、実は本来、こういう形の密閉はよくない。温度差で空気が膨張・収縮するので、空気穴を開けつつ防水する必要がある(アイコム製屋外型 ATU AH-4 には空気穴が開いているそうだ)。そこでこの形式での防水はやめて、アクリル板に直接同軸ケーブルと unun 本体(コア)を取り付けて、銅線が露出している部分をエポキシ接着剤で固めてから、全体をシリコーンで充填して防水することにした。
製作
まずはベースとなるアクリル板を作る。
次に同軸ケーブル・ワイヤー向けコネクタ(防水ギボシ)・ラジアル向けコネクタ(防水ギボシ)を、コアと配線する。
このあとシリコーンシーリングをかけるのだが、その中に含まれる溶剤が銅を酸化させてしまうので、特に問題はないらしいけど念のためエポキシ接着剤で銅が露出している部分を固めておく。
最後にシリコーンシーリングを施工する。アクリル板なので一般的なシリコーン(セメダイン8060など)は使えない…というのをあとで知ったので、わざわざアルコール系シリコーンシーリングのセメダイン8051Nを買ってきて充填した。
あとはこれをバルコニーに設置して完了。今度はモロに雨がかかる位置にも設置できるので、軒下から張り出す形で取り付けた。
実験結果
本日、実験をしてみたものの…7MHz のコンディションが大幅悪化したため、ほとんど飛ばなかった。まぁ、HF なのでそんなこともあるだろう。少なくとも、プラスチック部分が劣化して壊れる心配はなくなった。ただし、自宅前の私道に車を止め、その屋根上に RHM8b を載せて試してみたほうがよく飛んだので、やはり ATU-100 で 4m のワイヤ、というのは厳しそうである *1。今後はなるべく ATU-100 のインダクタンスを使わないですむように、Q の大きい大型の延長コイルを作って、ATU エレメントと unun の間に差し込んでみたい。
*1:ただし、冷暖房のある部屋で運用できるメリットはある。