IC-705 を受信改造して鉄道無線や消防署活系を聞く

無線機の改造は自己責任でお願いします。

概要

近所で何らかの事件・事故が起こったときは、鉄道無線や消防署活系を聞くことでより詳しい状況がわかるときがある。しかし、1Fの室内に置かれた無線機ではなかなか電波が入らない。寝室に設置された IC-705 は常時屋外のアンテナに接続されており、無線機用リモートコントロールソフトウェア RS-BA1 を使えば書斎からでも受信音を確認できるが、初期状態では鉄道無線・特定小電力無線・消防署活系などを受信することができない。そこでネットの記事を参考にして筐体を開けて内部のチップ部品を取り外したところ、上記全てを受信できるようになった。

背景

自宅で仕事をしていると、日中消防車や救急車の音を聞くことが多い。相模原市twitter で火災・救助情報を広報している ので、そちらでもおおよそどこで何かが起こったというのは把握できるが、消防署活系を聞く(傍受する)ことでより詳細な状況がわかる。私が所持する無線機のうち、TH-D74 と VX-3 には広帯域受信機能があり、消防署活系を傍受することもできるし、鉄道無線を傍受することもできる(鉄道無線については「空線キャンセラ」も搭載)。問題はアンテナで、1Fの屋内に置いてある、ハンディ機用ホイップアンテナを付けた無線機ではよほどのことがない限り明瞭には受信できない。

書斎のほかに、2F寝室には常時屋外のアンテナに接続されている無線機 IC-705 があり、リモートコントロールソフトウェア RS-BA1 を使えば書斎からでも IC-705 の受信音を確認できるのだが、残念ながら初期状態の IC-705 は鉄道無線(147MHz周辺)、特定小電力無線(400MHz台に複数周波数帯)、消防署活系(466MHz帯)などを受信することができない。ネット検索してみたら、非公式ながら内部のチップ部品を2つ外すことで受信改造ができることを知ったので、挑戦することにした。

チップ部品のはんだ付け・取り外し練習

練習用基板

これまで普通サイズの部品は数え切れないくらいはんだ付けしてきたけど、実はチップ部品のはんだ付けは今までしたことがなかった。いきなり IC-705 のチップ部品を取り外しにかかって失敗したら嫌なので、まずは Amazon でやっすい練習用基板 と、チップ部品用の細い糸はんだ・フラックスを購入した。そして、以下のサイトを参考にして練習してみた。

この練習では温調半田ごてを左に、ふつうの半田ごてを右に持ってやってみたところ、取り付け・取り外しともまぁまぁうまくやることができた*1

改造

いよいよ本番。以下の情報を参考にした。

まず殻割り。どうやら防水処理されているらしく、外装のネジは非常に固い*2。フラットケーブルを外しながら内部へと進んでいく。

殻割り進行中

途中で注意点。1カ所突起が出ている箇所がある。バネが使われているらしく、押し込んだら突起は凹んで、基板を取り外すことができた。

赤丸部分の突起に注意

そして、取り外すチップはこちら。

赤丸で示した2つのチップを取り外す

我が家最細のこて(温調こて + HOZAN の35Wこて)を二刀流してなんとかとれた。外した SMD はおそらく1005M (0402) サイズで、長辺1mm 短辺0.5mm くらい。100円玉と比べた写真を撮ってみたが、もっと小さいものと比較すべきだったな、と思うくらい小さい。

取り外しチップダイオードと100円玉の大きさ比較

結果

下記の通り、 VHF/UHF ともに受信領域が広がった。鉄道無線については空線キャンセラがないので常用はできないと思うが、特小や消防署活系については活用できそうだ。

改造後の受信画面

*1:取り付けに関しては、片方ずつやったほうがわずかに綺麗になる気がするので、急いでいないのであれば片方ずつやるかなと思った。

*2:上面のネジを緩めるときに少しなめてしまったので、できれば取り替えたい。