エクスプレス予約を取っているときに東海道新幹線で大規模輸送障害が起きたときの対処方法
最近、東海道新幹線が運休・大幅遅れになることが多いので、エクスプレス予約で新幹線に乗車しているとき・しようとしたときの対処方法について調べた結果のメモです。
先に答えを書いておくと、EX予約サービス(乗車券・特急券一体型サービス)はトラブル時においては基本的にはいいことは何もなくて、事故列変や旅行中止による引き返しができる紙の乗車券を併用するのが有利なので、乗車券買うのめんどくせーという場合を除いて紙の乗車券のほうがいい、という結論になりました。
想定シナリオ
町田(横浜線)新横浜(新幹線)名古屋、という経路で乗車しようとしてエクスプレス予約をしていたら、大規模輸送障害が発生して東海道新幹線での旅行が不可能になった。
このとき、どういう手続きで別経路乗車できるのかを、エクスプレス予約カスタマーセンターに聞いてみた。
e特急券+紙の乗車券
この場合は「エクスプレス予約である」ということはほぼ関係なくなり、紙の特急券+紙の乗車券と同じ状況になる。
- e特急券: 発券前ならEX予約サイトで無手数料で払い戻し、発券後ならJR東海の駅窓口で無手数料で払い戻し
- 乗車券: 旅客営業規則282条適用で無手数料払い戻し、もしくは285条適用で別経路乗車の特認を得る(参考: 運行不能及び遅延(第282条-第290条の3))
今回のシナリオだと、一般論としては別経路として横浜線・中央東・中央西が特認されると思うので、別途「あずさ」「しなの」の特急券を購入する。乗車券部分は、東海道線経由より中央東線・中央西線のほうが300円くらい高いけど、285条適用でこの分は支払わなくてよい。
途中で止まってしまった場合も別経路の特認をしてもらえる可能性がある。例えば小田原で止まってしまった場合、東海道線(在来線)でそのまま西進したり、東海道線等(相模線・横浜線?)で中央線に迂回する経路が考えられる。どの経路が特認されるかは状況により異なるものの、規則上はJR線を使って追加料金なしで迂回できる可能性がある。
EX予約サービス(乗車券・新幹線特急券一体の企画乗車券)
この場合のポイントは2点。
- EX予約サービスには変更の概念はなく、事が起こったら契約全体が解除されるのが基本(例外あり、以下に記述)
- EX予約サービス(新横浜→名古屋)とそれ以外の区間(町田→新横浜)はまったく別の旅行契約である
町田駅で改札入場前に気付いたとき
切符との違いは旅規285条適用の有無で、これにより300円ほど割高になる。これはあまり痛くないと思う。
町田駅で改札入場後で、かつ新横浜の乗換改札を通過する前に気付いたとき
- EX予約全区間(新横浜→名古屋の乗車券・特急券)が無手数料で払い戻しされる
- 事故による無賃送還で町田駅に戻った上で、自分で町田→名古屋(経由: 横浜線・中央東・中央西)の乗車券と、「あずさ」「しなの」の特急券を購入する
この方法では、いったん町田駅の改札で駅員に申告して出場し、えきねっともしくは町田駅のみどりの窓口で切符を買い直して再度入場するのが安全だと思われる。規則上、紙の乗車券で入場していた場合はそのまま乗り通した上で着駅(名古屋)で精算できることにはなると思うけど、安全上は「切符は予め目的地まで買いましょう」がよい(中央線でも何かが起こったとき、持っているきっぷの着駅がどこまでなのかで扱いが違う)。
Suica/PASMO で入場していた場合は、町田駅で入場記録を取り消してもらわないと名古屋で面倒なことになる と思われる(控えめに考えても塩尻ー中津川の区間が不正利用になる)。
新横浜の乗換改札を通過後に気付いたとき
ここから中央線経由にするには、いったん新横浜駅で改札を出た上で、横浜市内→名古屋市内(経由: 横浜線・中央東・中央西)の乗車券を購入する必要があるので、もともとの乗車券(経由: 横浜線・新横浜・新幹線)より940円割高になる。まぁまぁ痛い。
新横浜で新幹線に乗車したあと運休し、途中駅で降ろされてしまったとき
これが超レアケースらしい。仮に小田原で降ろされてしまったとすると、以下のような扱いになるとのこと。
- 実はEX予約サービスには、旅客には見えないけど新幹線特急券部分と乗車券部分が別々に金額設定されている
- 新幹線特急券部分は、新横浜→名古屋の全額が払い戻しされる
- 乗車券部分は、小田原→名古屋の分が払い戻しされる
- このあと小田急で町田に戻るとか、東海道線・相模線で戻るとかする場合は全部自分で支払う
ここで仮に「いやもう在来線で小田原→名古屋を乗り通します」と宣言した場合、本来はEX予約は新幹線のみ適用されるので在来線には乗れないところ、EX予約の乗車券部分で在来線に乗れる特認を出すこともあるらしい(先日の輸送障害ではそうした、とのこと)。よく考えたらこれはものすごい柔軟な取り扱いだと思う(小田原→熱海がJR東日本なので会社間精算も必要になって大変に面倒なはず)。
先日の輸送障害発生時に当てはめてみると、EX予約の契約が有効なままで、追加の乗車券を購入することなく、新横浜から浜松まで「こだま」に乗車し(さすがに「のぞみ」との差額は後日精算してくれるものと信じたい)、浜松から名古屋まで在来線に乗れた、ということだろう。なるほど、この特認を認めればそりゃみんな浜松まで行くわな…と思った。
「払い戻し」って? あの長蛇の有人窓口に並ぶの?
- 乗降記録がICカードや切符につくので、上記で「払い戻し」とある場合は、後日JR東海の窓口に行けばよく *1、当日は窓口を無視して新しい切符を購入すればよい
- つまり「特認」をやってもらいたいときだけ、駅員さん・車掌さんと会話する必要がある
まとめ
非常事態における柔軟性を確保したいのであれば、EX予約サービスのような乗車券・特急券一体型サービスではなく e特急券を使い、乗車券は別途購入するほうがよい *2。わざわざ乗車券を購入する手間・時間をかけるくらいならそれくらいのリスクは受容する、という覚悟があるのであれば、乗車券・特急券一体型サービスのほうがラクチンだし、そちらのほうが安いこともある*3 ので、よくよく考えた上で選択するのがよい。