概要
今年以降、夏・冬ともに 電力不足が見込まれている 。冬はモノを燃やすなり重ね着をするなりすれば何とかなるが、夏の暑さは如何ともし難い。そうなると「ポータブル電源で扇風機を動かす」というのが現実的な解ではないかと考えるようになった。仮にポータブル電源を導入したとすると、本来停電時には動かないガス給湯器が使える可能性がある。しかしその可能性を具体的に調べたことはなかった。そんなとき、防災アドバイザー高荷さんの動画で、ガス給湯器はポータブル電源でも動かせる、と知った。 youtu.be
そこで、我が家のガス給湯器の消費電力を確認して我が家でこれが実用的なのか確かめてみた。結果として、出力200W級のポータブル電源だとしても十分実用に足ることがわかった。ただし、凍結防止ヒーターが作動するような厳冬期には使えない(水抜き必須)こともわかった。
機器概況
我が家は神奈川県(東京電力50Hz電灯契約)で、2カ所に床暖房が付いている。それに対応する給湯器は床暖房最大3ヶ所対応のエコジョーズ給湯器が屋外設置されていて、定格消費電力は50Hzにおいて275W(凍結防止ヒーター199W)という表示が出ている。すなわち、厳冬期には最大で 275+199=474W を消費することになる。
一方でポータブル電源の給電能力を見てみる。一番普及しているであろう Jackery の機種で言うと、Jackery 240, 400 が最大200W(瞬間最大400W)、Jackery 708 が500W(瞬間1000W)、Jackry 1000 が1500W(瞬間2000W)となっている。個人的には、もし購入するとしたら 240 or 400 なので、給湯器が動くのかどうか微妙なところ。
そこで、「おそらく275Wはガス機器を最大に使った場合で、実野ところはそんなに消費しないのではないか」と考え、床暖房・お風呂のお湯張り・シャワーなどを個別に使ったときどうなるのかを調べるべく、サンワサプライのワットチェッカーで測定してみた。
測定結果
様々なユースケースにおける消費電力を測定してみたところ、以下のようになった。
使い方 | 消費電力 [W] | 備考 |
---|---|---|
床暖房1ヶ所 | 103 | パワフル暖房機能オンでも消費電力あまり変化なし |
床暖房2ヶ所 | 122 | 2ヶ所に増やしても倍にはならない |
床暖房2ヶ所 + 蛇口から35度温水 | 143 | |
お風呂のお湯張り | 瞬間214, 連続95 | 点火時に214, 数十秒160, のち95で安定 |
39度シャワー | 47 |
発見1: 床暖房の消費電力すごい
これはちょっと驚いた。床暖房がオンの状態だと、ガス給湯器は冷却ファンを回しながらゴウゴウと動作していて、冷却にかなりの電気を使っていそうだった。作ったお湯を床暖房の配管に送り込むポンプにも電力を消費するのかもしれない。
一方で、仮に100W消費するとしたら、これが2時間続くとそれだけで200Wh 消費してしまい、停電時に貴重な電力を投入するには惜しい。床暖房は設定温度まで上昇すると間欠的に動作するので、この100W超えの消費電力がずっと続くわけではないと思うが、今は初夏でまともな測定ができないため、長時間動かしたときにどれくらいの電力を消費するのかは、冬になってから再度測定しようと思う。
発見2: 床暖房とお湯張りを排他的に使えば200W級ポータブル電源でもガス給湯器を駆動できる
表からわかるとおり、床暖房とお湯張りのいずれかを使っている場合、定常的に使う電力はせいぜい100W程度であり、200W級のポータブル電源でも十分駆動できる。お湯張りの最は瞬間的に大電力を消費するので、同時に使うのは避けた方がよさそうである。蛇口からお湯を出す点に関してはたいした追加電力ではないので、気にせず使っていいかなと思った *1。
発見3: 厳冬期には使えない
厳冬期、凍結防止ヒーターが同時に動作すると200W級ポータブル電源では瞬間電力が足りない。ということは、凍結防止ヒーターだけを動かして、いつでも使える状態にしておく意味もない。理想的には、厳冬期に停電したら水抜きをしておくべきだと思う。まぁ、冬ならシャワーを2日に1回くらいの頻度にしても大丈夫…ということにしておこうかなと思う。
発見4: 雨のとき厳しそう
屋外設置されているガス給湯器、雨になったらポータブル電源の置き場所に困りそうである。テーブルタップを使って最寄りの窓から屋内に引き込むしかなさそうなので、テーブルタップ部分をアンテナ線よろしく防水加工する必要がありそうだなと感じた *2。